2025年5月。
水沢そらくんが彼の故郷函館で初の個展をした。
数日遅れて僕もそこを訪れた。
はこだてライナーで函館駅を降り、谷地頭町までの道のりを路面電車で向かう。
自分が生まれ育った東京とはちがう、ゆったりとした人の流れや生活があった。
会場となった喫茶クラシックとギャラリーには、彼の絵をきっかけに多くの人達が足を運んでいた。
遠い函館で作品が並んだ空間に踏み入れた時、
自分だけがずっと知らなかった部屋に入ったようなとても不思議な感覚がした。
滞在中、彼の在廊が終わると思い出の場所や店、海の見える函館の風景をいくつか訪れた。
つながりのある人たちとのやり取りを何度も目にした。
彼はこんな場所で育ったんだなと思った。
東京へ帰る日、駅前近くの塩ラーメンをふたりで啜った。
彼が昔から美味いんだと言ったその透明なスープは澄んだ塩の味がした。
日が暮れるすこし前、16時20分発の新幹線で函館を後にした。
立待岬
入舟漁港
-
水沢そら 個展
“だれかに、すむまちきかれたら”
会期|2025.5.02(金)〜5.18(月)
会場|函館 谷地頭 gallery classics/ classic(instagram)
open/close 11:30-21:00 火曜休廊
住所|〒040-0046 北海道函館市谷地頭町26-8(map)